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「朝日コミック大賞2024」結果発表
2025年1月16日
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pixiv事務局です。
2024年10月31日(木)まで開催された、「朝日コミック大賞2024」の結果発表を行います。このたびはたくさんのご応募、誠にありがとうございました。
数多くの素晴らしい作品の中から見事、受賞の栄冠に輝いたのは、こちらのみなさまです。

ホラー・サスペンス大賞(マンガ形式・ホラー・サスペンス部門から1名)

賞品


  • 賞金25万円

  • 「HONKOWA」または「Nemuki+」掲載

  • 担当編集者付き+連載検討

受賞作品・選評

無限の広さを持つ我々の宇宙に対して、スーツケースの中身の広さしかない別の小宇宙の存在を示唆しているのかなと勝手に想像しました。星空から舞い降りた宇宙人の女性は、その小宇宙を自由に操り、そこに人間を閉じ込めてコレクションしている。ホラーとSFが混じり合った話で、なかなか面白く読みました。
ただ、その宇宙人の女性が男によってスーツケースに押し込められて、電車に轢かれて礫死体となるところは、男によって一応動機は語られるものの、なぜ宇宙人自身が折り詰めになったのか、死体はその後どのように生き返ったのか?などについて、もう少し説明する描写があればもっと良かったかなと思います。(伊藤潤二先生)
日常で突然理由もなく自分の身に降りかかる恐怖、なかなか不条理なお話で怖かったです。“彼女”が何者か説明がないのも不条理を際立たせて良いと思いました。ただこの恐ろしい“折り目”、最初に出てきた男性が“彼女”をスーツケースに入れたからだということが少々わかりにくく、ここが読んでいてスッと入ってくると、未知のものの仕業に人間の手が入っていたことに尚更ゾクゾク嫌な気持ちになれると思うのですが。
絵はお上手でこのお話に合っていると思います。でもキャラクターに共感や感情移入をしにくいタイプの絵です。漫画は読者がキャラクターに共感する憧れる好きになることは大事です。今後続けていくときに、キャラクターよりもとにかくアイディアがすごい、話が面白いという作品を描くか、伊藤潤二先生の「富江」のように怖くても魅力的なキャラクターが出てくる作品を描くか、考えるところですね。
最後にこれは私の意見ですが、タイトルは「折り目」だけの方がいいと思うのですが、どうですか。(波津彬子先生)
表紙のタイトルおよび電車に乗っている女性のビジュアルイメージとは想像もつかない方向へストーリーが向かっていく感じにやられました。冒頭、その電車が人身事故を起こし、主人公が電車の真下でそれを感じてしまったことをきっかけに何かに巻き込まれていくのだろうなとは予想しましたが、その展開とタイトル「肌の折り目」との結びつきを推測することはできず、ある意味ここが最大の評価ポイントです。主人公目線で天井と壁が狭くなっていく描写も面白かったです。惜しいのは、ラストがやや投げっぱなしになっているところでしょうか。星空に浮かぶ“彼女”について何らか言及するともう少し深みが出たのではないかと思います。(後藤博幸さん)

ホラー・サスペンス優秀賞(マンガ形式・ホラー・サスペンス部門から若干名)

賞品


  • 賞金3万円

受賞作品・選評

成仏できていない魂の宿る建物を清掃するという設定、それを生業とする会社へ新人として研修を始めることになった主人公のキャラクター、そしてその先輩指導者の存在。シリーズものとしてワクワクする要素が詰まっており、すごく魅力的な作品でした。ただ、一発勝負のネタとして、登場する未成仏霊の設定に違和感を覚え、これが大賞として押しきれなかった要因です。ランジェリー姿というのはありだとして、そのあとの性描写の掛け合いに乗れませんでした。シリーズ化された何話目かで、アクセントとしてこのようなネタを持ってくるのはありかもしれませんが、最初のネタとしてはどうだったんだろう?と個人的には思います。ただ、作品としてぜひ読んでみたい世界観ですので、今後に期待です。(後藤博幸さん)
主人公が可愛らしく、新人らしい失敗も見守りたくなるキャラクターでした。メンター役の先輩もかっこよかったし、地縛霊も死んだ原因がバカっぽいところなど、各キャラクターが魅力的に描かれていました。世界観や設定について特に新鮮な感じはありませんでしたが、キャラクターの魅力がそれをカバーしていて作品全体の完成度を上げています。画面作りにも工夫を凝らしていて、読者を作品に引き込もうという努力が感じられました。(畑中さん)

日常×ファンタジー大賞(マンガ形式・日常×ファンタジー部門から1名)

賞品


  • 賞金25万円

  • 「Nemuki+」掲載

  • 担当編集者付き+連載検討

受賞作品・選評

新宿に向かう謎めいた高速バスに乗り込んだ少年(男の子ですよね?)の旅の物語。途中休憩のサービスエリアで出会った謎の少年と池に潜ると、中は月の光を溜め込んで明るいというシーンが印象的です。ただ、どこから出発したかわかりませんが、新宿までの旅はそれなりに長いはずで、エピソードがサービスエリアの池のくだりだけなのが、個人的には少しあっけない気もしました。それでも、ラストでそこで出会った謎の少年の正体が明かされるところは、ありがちな設定ながら、気持ちの良い読後感を与えてくれて、好感が持てました。(伊藤潤二先生)
好感の持てる絵で、謎めいた少年や水の中の幻想シーンなどがなかなか良く、ファンタジーを描くポテンシャルを感じて選びました。
ただお話は主人公の立場、不思議な深夜バス、不思議な少年、名前のこと、お兄さんのこと、家族関係、そして猫、などなど盛り込みすぎで読みにくかったです。状況もわかりづらいです。16ページで描くのでしたらもう少し要点を絞った方がいいですし、このまま要素を削りたくなければページを増やした方がいいと思います。
冒頭で「主人公がバスに乗り遅れて別のバスに乗ってしまう」という状況がわかりにくく、ここで「よくわからない」と思われると先を読んでもらえません。冒頭大事です。訳ありで深夜バスに乗る主人公、乗ったのが予定とは違う怪しいバス、と読者を惹きつける要素はたくさんあるのですから、ここを丁寧に描いて読者を引き込みましょう。出だしを丁寧に描くと家族関係やお兄さんの伏線も出せますから、あとが読みやすくなります。(波津彬子先生)
何よりもまず、月の光を蓄えた池の中のビジュアルイメージが鮮烈で、読み終えても記憶から消えないほど美しかったです。印象的なシーンを作れるということは作者さんの圧倒的な強みだと思います。また、全体を通して、真摯に物語を描きたいという熱意が伝わり、作品への思い入れを強く感じることができました。一方で、物語の構成にはやや分かりにくい部分があり、特に主人公のジャーニーが何を意味しているのかが曖昧であったため、物語の軸がややぼやけてしまった印象を受けました。また、姉のキャラクターに関しては紋切り型に感じられました。兄の不在に対する姉の思いや、主人公自身の感情について、もう少し深く掘り下げられれば、物語の情感的な厚みが増し、さらに魅力的な作品になったと思います。とはいえ、作者の熱意と想像力には大いに可能性を感じます。構成やキャラクターの内面やテーマの掘り下げを意識することで、さらに読者を引き込む物語を紡ぐことができるでしょう。これからの進化が楽しみです。(馮年さん)

原作大賞(小説形式・全部門から1名)

賞品


  • 賞金25万円

  • 「HONKOWA」または「Nemuki+」または新レーベルでコミカライズ掲載

  • オーディオブックを制作し、AmazonAudibleにて配信

受賞作品・選評

奇想天外な発想にユーモア、ナンセンスの要素も加わって、とても面白く読めました。神様のペットをトリミングするスタッフ3人の腕に、世界の運命がかかっているという不条理な設定ながら、3人の軽妙でとぼけたやり取りで笑いを誘うのも上手いと思います。
神様のペットは奇妙な姿をしていて、可愛いと言えなくもないなどの描写もあるものの、漫画の原作という点から、さらなる成功の鍵は漫画家の描写力にもありそうです。それでも、読み物としても十分楽しく、ペットの赤い舌がだんだん伸びて、それを地面に付かせないように高いところに持ち上げるというくだりなども、とても愉快でした。(伊藤潤二先生)
今回はホラーではなくファンタジーが選ばれました。
面白いお話でした。まず発想が面白く、登場人物三人のキャラがバランスよくそれぞれ立っていて良かったです。主人公は最初受け身のキャラかと思ったら、大事なところで状況判断と行動力を発揮してくれてスカッとします。性格設定を最後まで崩さずオチに使うところも気が利いていますし。シリーズ化もできそうです。シリーズ化した場合、ペットがマンネリ化しないように気をつけなければいけませんが。
しかし原作というのは、漫画化するときに描く漫画家さんによって作品の印象が変わります。登場人物もそうですが、この作品では神のペットをどう描くかで全く違う作品になりそうです。まあこれは原作者の方より編集部の頑張るところですね。頑張ってください。畏れを感じつつも可愛いペットをお願いします。(波津彬子先生)
設定の奇抜さとキャラクターの面白さが光る一作で、本作の大ファンになってしまいました。ペットのトリミングサロンという小さな空間を舞台に、地球規模の大きな影響をもたらす摩訶不思議な因果関係の構築が非常にユニークで、物語の世界観に一気に引き込まれました。キャラクター描写も見事で、主人公・井村加奈、ガタイの良い店長・双葉円、京都弁を話す店員・木ノ下蓮の3人のバランスが絶妙で物語にユーモラスなトーンを与えています。特に主人公の嘘がつけないという性格設定により自然とツッコミ役に回る構図が秀逸でした。神様のペットの奇妙奇天烈な風貌や存在感が楽しく、読み手の想像力を刺激してくれたのは言うまでもありません(漫画化する際の漫画家さんは大変そうですが笑)。ユーモアに包まれた物語の中に、想像を超える規模のドラマが潜むこの作品は、設定の奇抜さとキャラクターの個性が絶妙に融合した一作として高く評価できます。審査会でも大いに盛り上がり、文句なしの大賞受賞となりました。(馮年さん)

原作優秀賞(小説形式・全部門から若干名)

賞品


  • 賞金3万円

  • 「オーディオブックを制作し、AmazonAudibleにて配信

受賞作品・選評

構成、セリフ、キャラクター配置、タイトル、どれをとっても優れている完成度の高い作品だと思います。“真実の愛の為なら死んでもいい”という主人公の子供時代からの夢、これが、タイトルの意味回収とともに今回のラストへ繋がるとは想像つかず、いい意味で裏切られました。“愛のために犠牲を払うのではない。払った犠牲が、捨てた何かが――愛なのだ” 彼女なりの毒を飲んで死のう、こう決意した主人公の執念に背筋が凍りつきました。漫画として、また実写作品としてぜひ観てみたいです。(後藤博幸さん)
とても面白く読みました。デビュー間もないアイドルと恋愛関係にある。女性にとってこんなに幸せなシチュエーションがあるでしょうか。しかしその幸せも長くは続かず。天国から一気に地獄へと突き落とされる主人公。読者を引き込むのに十分すぎる展開でした。そして、絶望の淵にいる彼女の「真実の愛」への執念。そしてその執念が導く彼女の決断には驚かされました。物語の途中で、「毒で死ぬのはロミオ。ジュリエットは短剣で後追い」という会話がありますが、タイトルでは毒を飲むのはジュリエット。なるほど、そういう意味かと感心させられました。(畑中さん)
※恐縮ながら、厳正な審査の結果大人のタブー恋愛大賞および大人のタブー恋愛優秀賞、日常×ファンタジー優秀賞は該当なしとなりました。
受賞者のみなさま、おめでとうございます。
この度はたくさんの作品をご応募いただき、ありがとうございました。
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